アメリカ企業の四半期決算

 




1月16日の週からアメリカ市場では四半期決算発表が本格化しました

S&P500の20日の金曜日の終値は3972.61ポイントとなり13日の金曜日と3999.09ポイントよりも0.7%の下落となりました

そこでS&P500は前週比で割高に振れたのか、それとも割安に振れたのか

これを金融理論の基本となるCAPM理論から客観的で具体的な数値から比較して解説して行きます

昨年は一年を通じてS&P500は市場の業績見通しが楽観的過ぎると言われ続けて来ましたが、実は市場の業績見通しは楽観的過ぎる見方とは真逆に悲観的過ぎる見方だったと客観的で具体的な数値から見事なまでに証明されて可視化されており、結果として楽観的との見方は一年を通じて間違った見方だったと見事なまでに証明されているのです

昨年の7月~9月期の四半期決算発表が本格化した10月14日前後で比較すると、昨年10月14日以前にもS&P500の業績見通しは楽観的過ぎるとの見方がありましたが、決算発表を受けての結果から楽観的過ぎる見方との主張が見事に間違っていたとの結果となり、実際には悲観的過ぎる見方でしたという結果でした

さて、今回の四半期決算発表では本格化した決算発表を受けて先週と比較して

割高に振れたのか?

それとも割安に振れたのか?

を客観的で具体的な数値により可視化し検証して行きます

アメリカ市場をめぐる見方では雰囲気やイメージ、感覚だけで、

このところ下落していたから買い戻された

とか

ネットフリックスの決算発表からハイテク大手が買われた

などの抽象的で具体的な根拠の無い結果論だけの見方や分析などもありますが、客観性が欠如し、一方に偏り過ぎた見方もあります

しかし株式市場なので重要なのは

客観的で具体的な数値

となります

客観的で具体的な数値を無視した雰囲気やイメージ、感覚だけの見方や分析、解説などには1ミリの意味はなく、一円の価値も無いのが投資の世界です

では、ここからは客観的で具体的な数値を基にS&P500は割安に振れたのか、それとも割高に振れたのかを可視化して解説して行きます


まずはS&P500の昨年の実績から


一昨年、つまり2021年12月末のS&P500の四半期決算発表から算出した実績ベースの実績EPSは162.5でした

そこから昨年12月末の実績EPSは206.54で着地し終値となり、昨年1年で実績EPSは27.1%の成長となっています

株価を分解すると

予想EPS×PER=株価

となりますが、予想EPSとはアナリスト予想の平均となるので見方が悲観的に傾いたり、楽観的に傾くと正確性は欠けて来るので今のように予想が難しい局面では四半期決算を受けて結果から算出される実績EPSの推移を見て客観的で具体的な数値から比較し判断して行くのが妥当な時期となります

世界で最も成功した投資家のバフェットさんはアナリスト予想の平均に過ぎないからとして予想EPSは投資判断の参考とはしておらず、実績EPSの推移から投資判断しているので、今のように予想が難しい局面では尚更のこと実績EPSが重要となるのです

雰囲気やイメージ、感覚には全く左右されず純粋に四半期決算発表の結果から算出している実績EPSのS&P500の昨年1年の結果とは1年で27.1%の極めて高い成長となっていて市場の見方は悲観的過ぎたという結果なのです

また直近の四半期決算発表の結果から見ても7月~9月期の四半期決算発表が本格化する直前の10月14日金曜日のS&P500の実績EPSは200.73となっていましたが決算発表が一巡した11月18日の実績EPSは206.31で着地となり四半期決算発表を受けて実績EPSは2.78%の成長となり上方修正されています

つまり今と同じように市場は楽観的過ぎるとの見方が一部にありましたが、いざ四半期決算発表が始まると決算発表の結果から実績EPSは2.78%も1ヶ月だけで上方修正されており、実際には楽観的な見方ではなく、悲観的過ぎたという結果だったのです

昨年末の実績EPSは206.31となっていましたが、そこから年明けも実績EPSは上方修正されて13日の金曜日には208.83にまで1.22%の上方修正となっていました

その年初来1.22%上方修正された13日の金曜日から20日の実績EPSは209.97にまで更に成長し一週間で0.55%の上方修正となっていて昨年末の206.31から1.77%の上方修正となっているのです

つまり今年に入っても実際には悲観的過ぎた見方となっていて、いざ四半期決算発表が始まると、昨年末から1.77%も上方修正されている訳で、楽観的な見方とは真逆の結果となり、実際には悲観的でしたという結果だったのです

13日の金曜日のS&P500です実績EPSは208.83

20日の実績EPSは209.97

と決算発表を受けて0.55%の成長となり上方修正されています

しかしS&P500は3999.09から3972.61へと0.7%の下落となっていて、それだけ実績EPSから見て、また市場は悲観的に傾いていて、先週から割安に振れたという結果となっている訳です

重要となるのは四半期決算発表を受けて実績から算出される実績EPSの推移であり、実績EPSは着実に、そして力強い成長が続いているのです

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